認知症による財産凍結が恐い理由~親の財産が凍結される前にするべき対策とは?~

まず、認知症になってしまう方は、どの位、居られるのか?将来推計を見てみます。

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厚労省の「認知症施策の総合的な推進について」※によると、2025年には、700万人前後が認知症となり、高齢者人口に占める割合は20%前後となることが予想されています。
さらに2040年には、25%に迫るのでは?という推計もされています。
(※令和元年6月20日 厚生労働省老健局 参考資料)
もうすぐ5人に一人、20年足らずで4人に一人が認知症となるかもしれない、ということです。なかなか大変な世の中です。このコラムを読んでいただいている比較的、若い皆さまご自身も、認知症にならない自信があるとは、言えないのではないでしょうか?或いは、ご定年世代の皆さまは、実際に、自分が…と、ご心配されておられることでしょう。
筆者は55歳です。従いまして、私の親世代は90代です。それなりの対策もしていますが、まだまだ一部しか準備しておらず、やはり心配です・・・

「認知症による財産の凍結」とは?

「認知症による財産の凍結」は、私たち生命保険会社とお客さまだけの問題ではありません。金融機関全体の問題として、あるいは世界で最も高齢化が進んでいる日本国の問題として、「認知症による財産の凍結」つまり「認知症で、意思能力がなくなると法律行為ができなくなり資産が凍結する」という事象自体が、大きな問題になりつつあります。
相続が発生すると、死亡した親(被相続人)の預金口座が凍結されてしまうことは、比較的よく知られています。そこで、受取人を指定し、生命保険に加入しておけば、保険金として受け取ることが出来るので、当面の資金を確保出来たり、保険金は固有の財産ですので、遺言の代わりにもなる・・・ということで、保険の活用が活発になされているわけです。
ところが、「死亡を原因とせずに、資産や、口座が凍結してしまう」ことがあります。
それが認知症です。前述のように、「認知症で、意思能力がなくなると法律行為ができなくなり資産が凍結する」と、親の生活費、医療費や施設の費用などが払えなくなってしまいますし、例えば施設の費用を払おうと思って不動産を売却しようとしても出来なくなってしまいます。「契約」に関わることは、「意思能力」が求められるので、「意思能力」が必要とされる手続きは、何もできなくなってしまうということです。ご家族皆さまが、本当に困ってしまうことが、実際に起こっていますし、これからさらに、困ってしまう方が、急激に増加する可能性があるということなのです。

それでは、対策方法を考えてみましょう。

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結論から申し上げますと…前述の通り、対策せず認知症が進んでしまえば、口座や資産の凍結などで、ご家族に大きな負担が発生します。
認知症になってしまった後の財産管理において、ご家族に負担をかけたくなければ、「任意後見」または「民事信託」(家族信託)を検討する必要があります。任意後見にしても民事信託にしても、それぞれ特徴があるのですが、なかなか経験のない人がご自身で手続きすることは、非常に困難です。対策としては、どちらも必要とされるケースもありますし、民事信託だけでも良いケースもあります。対策を講じていれば、不幸にして認知症になってしまったとしても、親子とも最悪の状況に追い込まれることはありません。資産の管理や処分なども出来るようになるからです。
インターネットや専門書籍を購入して、ご自身で研究されることも必要かもしれませんが、もやもやしていて、よく分からないという場合には、我々のような「FP」や「相続診断士」にご相談ください。無料で一般的なアドバイスはさせて頂きます。場合によっては、適切な士業の方、士業事務所(司法書士、税理士、弁護士など)をご紹介させていただきます。(いきなり専門家としての士業に相談するのは、敷居が高いものです。私たちが、しっかり選別し、信頼できる士業を紹介します)

まとめ

個人金融資産の約7割を60歳以上の方々、ご家庭が、保有しています。認知症患者の保有する金融資産額は、2015年時点では127兆円、2030年度時点では215兆円に達すると試算されています。例えば、認知症になってしまい、ご自宅から介護施設へ10年間、認知症のまま、施設に支払うお金はかかるが、ご自宅は売れない・・・などの事例はたくさんあるようです。認知症を発症してしまったら、法律行為は何もできなくなるのですから、当然です。
家計金融資産全体に占める、「認知症になってしまった方の資産の割合」は、将来的にも、上昇が見込まれ、2030年度には10%を超えてくる見込みです。
その凍結された資産は、亡くなるまで動かせませんから、経済的にも損失ですし、ご家族のご苦労を想像すると、早く、対策の考え方を広く一般に普及させていかなければなりません。また、争族を防ぐためにも、「遺言を書く」、「保険加入で受取人を指定する」、これら一般の対策に加えて、「民事信託」で事前に対策をしておくことも検討する時代が来ています。皆さまご自身も、親御さんを心配される子世代の皆さまも、ご家族皆さまの幸せのために、認知症と診断される前に、以上の対策を急ぐことをお勧めいたします。

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執筆者:長尾 茂

―プロフィール―――――――

相続診断士・1級FP技能士
住友生命保険相互会社
ウェルズ開発部 部長

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カテゴリー: 相続マネー