子への生前贈与、現金手渡しはNG!あえて贈与税を払う手段もあり

生前贈与の現金手渡しがNGである理由

子への生前贈与、現金手渡しはNG!あえて贈与税を払う手段もあり

原則として、申告の有無にかかわらず多額の資金が動いている場合は、税務調査にて明らかになります。平成30年度の贈与税の調査(国税庁)において、贈与税の申告漏れは調査件数の99.6%となっており、財産別でみると現金や預金が調査件数の74.3%にも上っています。 それがたとえ現金手渡しであっても、ほとんどの場合は調査によって明らかになるということです。 相続が開始されると、被相続人が過去に特定の相続人へ贈与したことがあったかどうかを明らかにします。 過去に被相続人から多額の生前贈与を受けた相続人がいた場合、他の相続人との不公平を是正(ぜせい)するため、「特別受益額」として相続税の計算に加えるためです。 さて、ここで多額の現金贈与が未申告であったと発覚すると、どのようになるのでしょうか。贈与税の時効は6年なので、贈与の事実から6年以内においては贈与税の申告漏れとして期限後申告することとなります。 そのうえで、通常の贈与税本税以外にペナルティーがつくことを忘れてはなりません。 贈与税に限らず、税金の滞納があった場合は、加算税や延滞税がかかってきます。加算税には、過少申告加算税(少なく申告したとき)、無申告加算税(期限までに申告しなかったとき)、不納付加算税(期限までに支払わなかったとき:本税の10%)などのほか、罰則的な意味合いで重加算税(最高40%)などがあります。 また、延滞税は、支払いまでの期間に応じて課せられます。

生前贈与は「贈与」の証拠残しが大切

後になってペナルティーが課せられてしまわないように、生前贈与について明確な証拠を残しておきましょう。 それは、銀行通帳に贈与の記録を残すことです。では、親から子への生前贈与において、親名義の預金から子名義の預金への銀行振込だけで安心といえるのでしょうか。

銀行振込で証拠残しできる

預金口座を利用するには、もうひとつ重要な要件があります。贈与の振込先は、贈与を受けた人(受贈者)本人名義で、本人が管理している(通帳、印鑑、キャッシュカードなどを自由に使える)口座でなくてはなりません。 預金口座の名義人と実際に預金を管理している人が異なる預金のことを名義預金といいますが、振込先が名義預金では贈与と認められないからです。

贈与契約書を作成する

贈与契約において契約書を作成することで、贈与の内容が明らかになり、後のトラブル予防になるだけでなく、贈与人の後日撤回を防ぎ、税務調査時の証明手段ともなります。 なお、贈与の契約書において注意すべき点は、贈与の額を明示することです。贈与契約の本文には、「Aは現金 ○○○円 をBに贈与することを約し、Bはこれを承諾した。」と示します。これで贈与について、双方の同意があったことを明らかにしておきます。 もしも節約対策として暦年贈与における基礎控除額110万円を有効利用するならば、毎年、贈与契約書を作成しておきましょう。別個の契約書がたくさんあることを税務署にもわかるようにしておくのです。 毎年の契約書作成はしっかりと行うことを忘れてはいけません。贈与契約書に「毎年110万円ずつ、10年間贈与する」という一括した内容を記載してしまうと、「110万円×10年」分の金額を一括で贈与する意思があり、受贈者も「110万円×10年」分を受け取る権利を得たとされ、贈与の最初に高額の贈与税が課税される可能性があるからです。 また、毎年贈与契約書を作成するのが面倒だからと、贈与契約書の日付を変えてまとめて作成したと疑われないようにする方法もあります。それは、公証役場にて確定日付を付してもらう方法です。 公証役場で付される確定日付とは、公証人がその契約書などに確定日付印を押捺したその日付のことで、その日にその契約書が存在していたことを証明できます。 確定日付を毎年付与してもらうことによって、暦年贈与にかかる贈与契約書が毎年存在したことは第三者からも明らかとなるでしょう。

非課税枠を使う、正しい生前贈与の方法

ここからは、改めて暦年贈与について説明するとともに、贈与税の特例制度について紹介します。

暦年贈与なら年間110万円まで非課税

もともと贈与税の課税方法には2種類あります。それは課税と相続時精算課税です。 暦年課税とは、暦年(1月~12月)の1年間に受けた贈与に対して課税する制度で、贈与により取得した財産の価額の合計から、基礎控除額110万円を差し引いた残りの額に対して課税されます。 したがって、父と母から1年間にそれぞれ100万円ずつ贈与をうけた子の課税価格は、 200万円-110万円 = 90万円です。 この90万円に税率をかけたものが支払うべき贈与税になります。 先述したように、毎年定期的に贈与を受けることになっている場合だと、贈与総額から110万円を差し引いて考えるため、最初の贈与税は多額になりますので注意してください。 次に相続時精算課税とは、その名のとおり「相続時に精算して税金を支払う」制度で、親や祖父母から贈与された財産が、2,500万円までは贈与税が非課税になります。 この制度は、計画的に進めることも重要です。たとえば、一度選択すると暦年課税に戻すことはできなくなるなどの要件がたくさんあります。そのため、利用例が少ない課税方法です。

贈与の目的別で非課税枠がある制度

暦年課税においては基礎控除額110万円となっていますが、これとは別枠で、一定の要件に該当する贈与の場合には、非課税枠がより大きくなる特例制度があります。 どれかの要件に当てはまれば、現金の贈与であっても大きく節税できます。ただし、これらはどれも時限立法であるため、適用時期や用途、非課税となる金額などを確認してから申請しましょう。 また、後に課税となってしまわないように、これらの要件となる書類はしっかり保存しておかないとなりません。

教育資金の一括贈与

父母や祖父母などから一定要件を満たす教育資金の一括贈与を受けた場合は、1,500万円まで贈与税が非課税となります。

結婚・子育て資金の一括贈与

父母や祖父母などから一定要件を満たす結婚・子育て資金の一括贈与を受けた場合は、最高1,000万円まで贈与税が非課税となります。

住宅取得等資金の贈与

父母や祖父母などから一定要件を満たす居住用の住宅用資金等の贈与を受けた場合は、贈与税の非課税枠の特例があります。

あえて贈与税を払う、正しい生前贈与の方法

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「できれば納税額は抑えたいから、110万円以内の贈与にして非課税にしよう」と考える人は多いでしょう。しかし、実は贈与税を支払う生前贈与にはメリットがあります。その理由について解説します。

年間310万円贈与をする

年310万円の暦年贈与では、受贈者の贈与税額は次のように計算します。

〇課税価格 = 310万円 - 110万円 = 200万円

〇贈与税額 = 200万円 × 10%   = 20万円

贈与税の税率は次のようになっており、最低税率は10%です。最低の税率を使えるのは課税価格が200万円までなので、年310万円の暦年課税までは最低税率の適用ができます。では、その下の相続税の税率を見てみましょう。相続税の税率も最低は10%となっています。相続税の基礎控除の考え方は贈与税とはまったく異なりますが、たとえ相続税が課税されたとしても1,000万円までは最低税率の10%です。つまり、基礎控除額を度外視すれば、贈与でも相続でも税率は同じといえるでしょう。また、1000万円を生前贈与したいと考えた場合、年間110万円の非課税枠で贈与するよりも金額が多いため、4年で1000万円以上を贈与できます。このように、年間310万円の暦年課税は、贈与税の最低税率を使うことでスピーディーに贈与ができるのです。

出典:「贈与税の計算と税率(暦年課税)」(国税庁)

出典:「相続税の税率」(国税庁)

逆効果になるパターンに注意

次は、よく起こりがちな111万円の暦年課税について解説します。 111万円の贈与なら、110万円の基礎控除額を差し引くと、課税価格は1万円です。税額表に当てはめると贈与税は1,000円となるでしょう。 110万円でなく、111万円にする理由としては、「贈与税の申告納付をきちんとしています」という税務調査を想定したアピールのためだと推測できます。 しかし、税務調査では贈与の事実があったかどうかをもとに判断します。申告納税をしていることで、贈与の事実を証明することにはなりません。そのため、贈与の事実が客観的にわかるようにしておくことに注力しましょう。 また、どのような贈与であっても、財産をもらった人が申告納税するという基本ルールは守らなければなりません。 たとえば暦年贈与の場合は申告書1枚だけで済むので、贈与した親が受贈者である子どもに代わって申告も納税もしてしまうことも可能です。 しかし、複数の申告書の筆跡から受贈者本人ではないことがわかることはあるでしょう。基本ルールどおり、受贈者本人がきちんと申告しなくてはなりません。

まとめ

このように、子供への生前贈与には、知っておくべきさまざまな事柄があります。なかでも、子どもや孫に少しでも役立つ制度として、暦年課税は利用したいもののひとつだといえるでしょう。しかし、知識の無いまま贈与してしまい、望まないトラブルに発展してしまっては意味がありません。 トラブルを避けるためにも、生前贈与については専門家へ早めに相談するのをおすすめします。

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執筆者:大貫 敏

―プロフィール―――――――――――――――――――――――――――――――――

大学卒業後大手百貨店勤務:外商部一筋9年間営業職
外資系生命保険会社へ転職:営業職3年間、管理職11年間
営業時代はMDRT*1のCOT*2メンバー
*1MDRT・・世界中の生命保険営業職で一定の基準の成績を達成したものだけの組織
*2COT(Court of the Table)・・MDRTの入会基準の3倍の成績を達成した者

住友生命保険相互会社ウェルズ開発部転職:ブランチマネージャー(支社長職相当)5年
                 :営業支援職7年目

ファイナンシャルプランニング技能士2級(国家資格)
相続診断士(相続診断士協会認定資格)

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